ナチュラルに暮らせるリノベーション:S-House by AIDAHO Inc

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S-House, AIDAHO Inc. AIDAHO Inc. Comedores eclécticos
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本日ご紹介するのは千葉県松戸市にある築33年の古いマンションの一室をリノベーションした物件。これからつくっていく新しい家族の生活にあわせ、明るく開放的なリビングと対面キッチンを作ること、玄関を入ると廊下の先に丸見えだったリビングのプライバシーを確保すること。というクライアントの要望に応えたのは”「あいだ」を考え、「あいだ」をつくる”をコンセプトにした建築設計事務所AIDAHO Inc。

陽が入るのは南側一方向のみ

こちらの住宅の間取りは、間口に対して奥行き方向が長い一般的なマンションの間取りに、寝室とウォークインクローゼットをプラスした4LDKだ。大きな集合住宅になればなるほどよくある事例だが、このマンションも陽が入る方向は南側の一方向に限られていた。「明るく開放的な空間」を望むクライアントのためまず南側に寝室とリビング、キッチンといった生活の中心部を配置した。

ナチュラルで明るい空間へ

壁と天井を白で統一して、更にフローリングや木製の家具もブライトカラーで揃えると部屋全体がいっそうナチュラルに明るい空間となる。天然木が美しいダイニングテーブルは素材の色だけでなく木目の入り方や天板の厚み、脚の太さなどでがらりと印象が変わるので部屋に合わせて選びたい。

角度のついた細身の脚が軽やかでリラックス感のあるソファは大きめの座面を選んでより心地良く。全体が白い空間でもソファやダイニングチェアの座面、棚の壁面などのみに色を使うことでシンプルだが寂しい印象にならず、全体のまとまりもキープできる。

廊下とリビングを隔てるドアには可愛らしいステンドグラスを設置して、白い壁面のアクセント兼採光にも役立つ。

プライバシーの確保

開放的にといっても家族のプライバシーは守りたい。常に人の行き交う集合住宅では尚更だろう。リビングが玄関から丸見えだったという問題点は、直線上にあった玄関と廊下の芯を1mほどずらすことで訪問者の視線がリビングまで行き着かないようにし、開放性を保ったままプライバシーが守られる計画とした。

また共用廊下に面する窓は、玄関に広めの土間を配置し、共用部からワンクッション置くことでプライバシーを守りつつ、通風と採光を確保できるようにした。このように壁や衝立などでなくても、空間を取ることによってスペースを分け、プライバシーを確保することも可能なのだ。

フレキシブルな予備室をひとつ

将来子ども部屋として考えている予備室は、こちらも集合住宅にはどうしてもできてしまう外部に接しない空間である。通常は直接日光が入らないため暗く使いづらい空間となってしまうが、このリノベーションにより明かり窓を両側に設け採光と通風を確保した。明るくなったこの部屋は子供が成長するまでは家族共有の予備室として、また収納や客間として利用され、子どもが増えた場合は家具等で仕切り、個室として利用できるよう考えてある。

このように築30年を超えた古い物件でも、明るく開放的でナチュラルな空間に変え、将来の家族の変化にも対応できるようリノベーションすることは可能なのだ。中古物件だからと諦めていた方も今一度再考してみる価値は十分にあるだろう。

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