ルーバーが建物の外観に取り付けられているのを見たことがある方も多いと思います。それはそもそも、長細い羽根板を使って細かく隙間をあけながら、いくつも並び組まれたもののことですが、建物には外観や扉、照明など様々な部分で使われることがあります。今回は、その中でも建物の外側に使われるルーバーに注目しながら、その魅力について見ていきたいと思います。
ルーバーの魅力として一番に挙げられるのが、眩し過ぎる直射日光を心地良い光として家に取り込むことができることです。最近では、気密性や断熱性の高い住宅が増えており、その際には遮光することが夏を快適に過ごしていく上で大切になりますが、そうした時もルーバーは有効な手段となってくれます。こちらの住まいでは開閉できるルーバーが取り付けられていますが、そのように羽根板が動かせることで、その時々に合わせて丁度いい光の具合に調節できます。
外を走る車や人通りの多い道路に面する住まいでは、騒音に悩まされることもあるでしょう。そのような騒音を遮って、静かな室内としてくれることもルーバーの魅力の1つです。もちろん、完全に住まいが密閉されるわけではないので、騒音をゼロにすることはできません。しかし、一定間隔で隙間が空いていることで、採光や通風、開放感を維持したまま遮音をすることができるのです。こちらの住まいも交通量が多い幹線道路沿いに建っていますが、ルーバーで建物周囲を囲い、騒音を遮りながら、ルーバーと建物の間に縁側のような回廊をつくり出すことで、気軽に屋外空間を楽しめるようなスペースも生み出しています。
▶「住まいの写真」ページでは様々な種類の廊下を紹介しています。◀
ルーバーによって外からの視線を柔らかく遮れることも大きな魅力でしょう。市街地に家がある場合、道路や隣家からの視線を気にして、昼間でもカーテンを閉め切ってしまう住まいもあるようですが、それでは日中でも照明を点ける必要がでてきますし、住まいの開放感も失われてしまいます。そうした時に、窓の外側や敷地の周囲にルーバーを設ければ、外からの視線が柔らかく遮られ、光や風は通り抜けるような快適な住まいにすることができるのです。
ルーバーを通しては、家の中が見えづらくなることから、泥棒が侵入をためらうような安全性の高い住まいとなります。こうした防犯性の向上もルーバーの魅力の1つとなると思います。もちろん、家を壁で囲ってしまう方が防犯性は高くなるかもしれませんが、それでは住まいの採光や通風、開放感が失われてしまいます。ルーバーはこうした住まいの快適性を保ちながら防犯性が高くなるだけでなく、子どもをルーバーの内側にある庭で安心して遊ばせられなど、内側からの安全性も期待することができます。
【防犯性については、こちらの記事でも紹介しています】
これまで挙げたように、ルーバーは、プライバシーを確保しながら、採光や通風、遮音や防犯性を期待することができるような非常に機能的なものとなってくれます。しかし、そうした機能面だけでなく、デザイン面でも落ち着きのある外観を住まいに与えてくれます。こちらの住まいのように、ルーバーの羽根板は木材でなることが多いことから、木材の温かみある雰囲気を住まいにもたらすことができますし、周囲の緑の環境に馴染むような外観にもしやすくなります。