住み慣れた土地で古くなった建物を新たに建て替えるなら、どこか以前の住み心地の良さや味わいを引き継ぎ、新しい空間にも懐かしさや安心感を感じられる住まいも魅力的ですよね。ご紹介するのは、120年代々椎茸農家を営むという三世帯四世代ご家族のための新たな住まいです。山道勉建築が手掛けたこちらの「里の家~玖珠万年山の麓 実りある住まい~」は、大家族が一つ屋根で住まう心地よさを最大限に生かす住宅プランと、豊かな自然に溶け込むように風景や環境を生かした快適な住空間が広がっています。「おおいた 木の良さを生かした建築賞2017優秀賞(大分県知事賞)」という受賞を得た評価の高い住宅です。
建物が建つのはゆったりと伸びる山並みのある自然豊かな大分県玖珠郡玖珠町というロケーション。代々受け継ぐ敷地に建つ本住宅外観は、フカフカの緑の絨毯の様な木々の風景に包まれ、溶け込むようにゆったりとしたおおらかな風貌が特徴的。白い壁に開口部に設けられた明るいトーンの木枠、木製扉が目を引く気持ちのいいナチュラルなデザインです。
玄関へのアプローチは敷石のリズムに流れるように、歩幅を整えられるようなゆったりとした雰囲気と、周辺の自然を感じられる外構デザインです。外壁を囲うように設けられた一段高いテラスはお天気のいい日には座って寛ぐことも出来そうですよね。木格子の建具がどことなくプライバシーを守りながら外部との緩やかなつながりを感じさせてくれます。
玄関エントランスへと進むと奥行きのある広い玄関土間が広がっています。コの字型に配置されたようなリビングや階段、和室スペースは土間に一歩踏み込むだけで一体的な空間を感じることが出来ます。ふんだんに用いられた木素材は地元の素材はもちろん、旧居の松の小屋梁で製作されたという階段・手すり・ダイニングチェアのアーム。触れるたびに建物の記憶や歴史を感じることができます。
和室スペースは間口一杯に開くワイドな開口が開放感を生む自然を感じる気持ちのいい空間です。伝統的な和室のスタイルに、地域産材をふんだんに用いた空間は木素材の温かみと温もりある空間を演出。お天気のいい日には大きく開く開口を横目に畳の間でうたた寝も気持ちがよさそうですよね。
家族が自然と集まれるリビングスペースは和室スペースとも、ダイニングスペースとも一体感を感じられる空間に。それぞれに齟齬していてもコミュニケーションや気配を感じられる距離感です。広い玄関土間ととなりあうリビングスペースはどこか昔ながらの来客や近隣住民との触れ合いやフレンドリーさを感じることが出来ますよね。
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